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2009年03月28日

特許法の罠6 玉村の推理

 佐々木は明らかに動揺していた。
「便利屋だろうが弁理士だろうが一緒のことだ。我々が情報を買ったという証拠がどこにあるんだ!」と激しい口調で言った。
「証拠ならここにある!」
 私はカバンから警告状を取り出し、机に叩き付けた。
「警告状には、こう書いてある。『当社は、遠心分離装置を用いた高密度のチタン製アンテナの製造方法の特許権を保有しています。貴社の販売している高密度のチタン製アンテナは、当社の特許権を侵害するものです』」
「それが、どうしたっていうんだ?」
「松本製作所はチタン製アンテナを販売したが、それをどういう方法で製造しているかは、秘密にしていたんだ。それなのに、この警告状には『遠心分離装置を用いた製造方法の特許権』を侵害したと書いてあるな?なぜ、松本製作所で、遠心分離装置を用いた方法を用いていると、知っているんだ!」
「ちょっと待て。どんな方法を使っているかは知らなかった」
「言い訳をするのか!元社員から情報を買ったから、松本製作所の製造方法を知っていたんだろう。そして、それをうっかり警告状に書いてしまった。お前は、勇み足をしたんだ!」
「めちゃくちゃだ!出て行ってくれ!」
「そうはいかない。罪を認めるまでは、ここを一歩も動かないぞ」
 佐々木は立ち上がり、部屋の壁にかけられた電話を取った。
「警備室に繋いでくれ。ここにいる男を、つまみ出して欲しいんだ」
 受話器に向かって、彼は震えた声で言った。
posted by かずひで at 23:28 | Comment(2) | TrackBack(0) | 第一話 特許法の罠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
面白い作品ですね。
楽しく読ませて頂きました。
私も弁理士の知名度アップのために同じようなことを考えていたのですが、先を越されてしまいました。

作品の面白さのために目をつぶっているところも多いと思いますが、以下、つまらなぬ指摘です。
ご不快でしたら、本コメントを削除して下さい。

まず、冒認出願の追求をする前に、公報に記載された発明者(辞めた社員ですかね?)の確認をした方が良かったと思います。
また、他社実施(侵害)発見については、製造装置メーカ(本作だと遠心分離機メーカ)からの情報や、製品解析で分かることが結構多いです。
なお、理由はどうあれ、脅迫による署名は無効です。
Posted by ドクガク at 2009年05月08日 12:52
>ドクガクさん
はじめまして。
細かいところまで読んでいただき、ありがとうございます。

>冒認出願の追求をする前に、公報に記載された発明者(辞めた社員ですかね?)の確認をした方が良かったと思います。

たぶん、行方知れずなんでしょう。

>他社実施(侵害)発見については、製造装置メーカ(本作だと遠心分離機メーカ)からの情報や、製品解析で分かることが結構多いです。

RCC社は、権利だけ取得して、製造はしていなさそうなイメージです。
玉村氏は、公報の確認もしてないようですね・・・。

>なお、理由はどうあれ、脅迫による署名は無効です。

適切なツッコミありがとうございます 笑


あまり知財の世界が誤解されても困るので、適切な指摘はありがたいです。
今後ともよろしくお願いします。
それから、WEBサイトをリンクさせていただきました。
よろしければ、相互リンクをお願いします。
Posted by かずひで@管理人 at 2009年05月09日 01:28
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