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2009年04月04日

特許法の罠9 推定有罪

 特許法百四条?全く思い出せない。
「百四条は、非常に重要な規定だ」
 時間を稼ごうとして、そう言ってみた。
「知らないんですね」
 気づかれたようだ。
「そんなわけがないだろう。度忘れしただけだ」
「物を生産する方法の発明についての特許がある場合、その物が特許出願前に日本国内において公然知られた物でないときは、その物と同一の物は、その方法により生産したものと推定する」
 河原は、特許法の百四条の条文を読み上げた。こいつ、暗記してるのか?
「ああ、そうだった」
「百四条は『生産方法の推定』の規定ですよ」
 河原が与えたビーフジャーキーを、マーロンは大きく口をあけて齧っていた。
「高密度のチタン製アンテナって、3年前にRCCが特許出願をするまでは、日本にはなかったんですよね?」と、河原は言った。
「おそらくはそうだ」
「だとすれば、高密度のチタン製アンテナが販売されていれば、それは特許になっているのと同じ方法で生産されたものと、推定されるわけです」
 何を言っているのか、全く分からない。
「おいおい、今日は疲れているんだ。もう少し噛み砕いて説明して欲しいな」
 私は平静を保ったふりをして、彼に尋ねた。
「つまり、RCCが松本製作所に対して、同じ生産方法で作ったと指摘したのは、元社員から情報を買ったからとは限らないということです。『生産方法の推定』の規定に従って、推定をしただけかもしれないわけです」
「な、なんだって!?」
posted by かずひで at 02:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 第一話 特許法の罠 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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